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Amazonレビュー
2009/12/14
「とらわれた存在たち」
ネムキで連載中の,ファンタジー?です。出てくるのはニワトリとか精霊のようなものとか,岩岡ヒサエらしいキャラクターが多いです。
この作家のおはなしは全体的にほのぼのなんですが,所々にどきっとするくらいの悪意が出てきます。そういう心のどろっとしたものまで描ける作家というのは貴重かなと。今回のも絵柄や一個ずつのおはなしはほのぼのですが,裏側には複雑な想いがからみついてます。
買ったらカバーを外してみてください。本体の装丁も素敵なので。さりげなく振られた鈴蘭のロゴが深いです。
2009/12/10
「精霊の棲む森」
近未来的な人工物に囲まれた「土星マンション」と対になるような、自然に溢れた漫画「星が原あおまんじゅうの森」。
住宅街の一角に茂る雑木林の奥に暮らす、蒼一と不思議な精霊たち。彼らが織り成す優しさに溢れたお話です。森が舞台のファンタジーって何となく西洋のイメージがあったけど、植物やモノに精霊が宿るというのは日本的な趣を感じさせる。なんだか懐かしい。
最初はオムニバスのような展開で、岩岡ヒサエらしいコミカルなキャラクターとハートフルなエピソードに癒される。特に小学生の洋平と小石の精霊がかわいらしいです。
しかし、途中に挟まれる大きな物語のカケラを拾っていくと、森の記憶や蒼一の過去と繋がり、次第に悲しみも浮かび上がってくる。開発によって森がなくなるというような話は過去に幾つもあったと思うが、相手が風だというのがまた、何とも複雑だなぁ。最初はかわいらしい設定だと思えた精霊のスタンプカードも、埋まっていくことを素直に喜んでいいのか、少し考えさせられる。果たして科子が蒼一に森を委ねたことは、仕方のないことでもあるけれど、やっぱり人間の蒼一にとっては酷だったのではないか。だからって、野分が正しいってわけでもないんだけど。
人間、動物、精霊、神様、森羅万象それぞれの生命の運命。今後どうなるのか楽しみだ。
期待以上におもしろかった。オマケ漫画もおもしろい。そしてなんてったって表紙が素晴らしい。「土星マンション」じゃ、この深い緑は描かれないもんなぁ。
というわけで、お気に入りがまた増えました。(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)ってなってるけど、個人的には(のんびりした休日の朝の素敵な話コミックス)って感じです。是非手にとって、素敵な時間をお過ごしください。
2009/12/06
「人間と精霊が棲む不思議の森」
「星が原」という町には、住宅街の一画に塀に囲まれた広大な雑木林があった。
神や幽霊が棲むと噂されるその森には、蒼一という(人間の)男と様々な精霊たちが穏やかに暮らしている。
精霊を見る力がある蒼一は、ある事を心の拠り所にしながら精霊を助け森を守り続けている。
『土星マンション』最新刊と同時発売で、なんかもう“岩岡ヒサエ様祭り”。また一つ楽しみな漫画が増えて嬉しいです♪
しかし、このコミックスが出るまでネムキでファンタジー漫画を連載されているなんて全然知らなかったので驚きました。
著者の独特な人物や自然の描写が、ファンタスティックな物語の雰囲気にとても合っています。
物語は一話完結。主人公の蒼一さんと森を訪れる精霊や動物たちとの交流がほのぼのと描かれています。
蒼一の過去話などシリアスで悲しいエピソードもありますが、全体的に和むお話が多いです。精霊や動物たちが愉快で笑えます。
蒼一と科子さん(風の精)が切ないです。二人に嫉妬する野分(風の精)の存在が今後も気になるところ。
個人的には、洋平君(小学生)と小石の精のおチビさんコンビが可愛くてツボでした。二人を描いたあとがき漫画も微笑ましいです。
本編の他に読切「ひきだしの中」が収録。初めは怖い話?と思ったのですが、読み進めていくうちにジーンときてしまいました。
ラストは優しさに溢れていて、ほんのり幸せな気持ちになりました。岩岡先生は短編を描かせても本当に上手い方だと思います。
本編は物語が始まったばかりでまだ先が見えないのですが、帯に「巨編」と書いてあるところを見ると長編になりそうですね。
蒼一と科子さんの行く末を長い目で見守っていきたいと思います。
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