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Amazonレビュー
2009/12/03
「後半のトリビュート漫画をどう捉えるか」
前半は、あずまんが大王に関わるほぼ全ての制作、著作、製品等が完全網羅されています。
雑誌掲載時のおまけ漫画、O157防止のポスター、ガチャポンやフィギュア全種類及びその計画段階のラフ、
Tシャツや洋服、カレンダー、あずまんがのラッピングバス、書店用の広告……など、
「あずまんが」と付く全てのグッズが載っているといっても過言ではありません。
ファンなら眺めてるだけで楽しめる筈。
後半は他作家によるトリビュート漫画。
「苺ましまろ」「ひだまりスケッチ」「ぱにぽに」など、
あずまんがの流れの汲むほのぼのギャグ漫画作家たちが常です。
これはその作家を知っているかどうかによって楽しめる人とそうでない人に分かれます。
各々の個性が強く、その作家が普段描いている作品のノリであずまんがキャラを描いたようなものだからです。
「観客を意識しすぎて普段の芸風が発揮できなくては、参加していただく意味がない。
だから皆さんには『原作によけいな気を遣う必要はないので、できるだけ自分の演技を見せて下さい』という依頼をした」
と本文にあるのですが、そのつもりで読まないと少し驚いてしまうかもしれません。
2009/11/28
「蛇足」
前半部の資料的要素はファンとしてうれしい限り、
今まで見えなかったスケッチや設定画もファン垂涎の内容であるのだが、
トリビュート漫画がまさに絵に描いたような蛇足、
正直意味がわからない、
あずまきよひこが描いてこそのあずまんが大王であり、
それ以外の作家が描いてどうしようというのか?
各作家の実力を否定するわけではないが、
どうあがいても、本家からすると、
あずまんが大王には遠く及ばない劣化版と評価するにも値しない紙束でしかない、
最後の最後に味噌をつけるあたり、どうにもいただけない、
前半部だけだったら同価格でも☆4以上にはできる内容だが、
後半部のあずまんが大王に対する冒涜だけはどうにも容認できない。
2009/11/21
「後半のトリビュート漫画の意義について」
斎藤環はかつて、あずまんが大王で「萌え」を理解した、と言った。
あずまんが大王は日本のアニメ、漫画文化の歴史を語る上で非常に重要な作品だ。
「萌え」という言葉が曖昧な意味ながらも普及し始めていた頃、4コマ漫画という形態で、かなりシンプルな形で「萌え」を表現したのがあずまんが大王である。
本作を発端として2000年代は馬鹿みたいに、ホント馬鹿みたいに「萌え」4コマという新しいジャンルの漫画が作られた。あずまんが大王が辛うじて所持していた、旧来の4コマ漫画のギャグ要素、約束事が無くとも漫画として成立するようになり、まんがタイムきららが創刊し、「らき☆すた」や「けいおん!」がヒットし、道満清明のような存在も知名度を得てきた。
2000年代はあずまんが大王の拡大再生産の時代だったといってもいい。「萌え」るアニメや漫画はあずまんが以前にもあったが、明確な方向性を示したのは本作であろう。
あずまんが大王は作品そのもののおもしろさもさることながら、上記のような外側から見た存在意義が非常に大きい。
10周年記念本を出すといっても、グッズや設定画などをまとめただけでは只のファンブックである。大阪「万博」にするためにも、できることならば上記のような、外側から見た本作、つまり萌え4コマの始祖としてのあずまんが大王を語った文章なども収録したい。しかしそれを「あずまんが大王」のムック本の上でやるのは自我自賛に近い行為である。
そこで収録されたのが後半のトリビュート漫画ではないのか?と僕は思う。
こんなタイトルがよかった、とあずまきよひこ本人が発言した、「ぱにぽに」の氷川へきる。あずま同様、電撃大王の看板作家であり、代表的な「萌え」漫画家でもある ばらスィー。あずまんが的な雰囲気ながら「萌え」ではなくギャグに特化した、あらゐけいいち。「萌え」が社会学的に注目され、国際的な祭典などにも紹介されていた頃、その話題の中心にあった「週刊わたしのおにいちゃん」で萌え4コマ漫画を連載していた結城心一。現在、いろんな意味で「萌え」漫画の極北たる位置に存在している うさくん と道満清明。まんがタイムきららで連載を持つ蒼樹うめ、大沖、カヅホ、kashmir…
など、どうもあずまんが周辺、またはあずまんが以降を意識させる漫画家ばかりがトリビュート漫画を描いている。(あずまんが以降でありながら、あずまんが的な作品群から独立した存在感を示し、ここ数年で一気にビックネームになった かきふらいや美水かがみが描いていないのもむしろ自然)
これにはどうも、トリビュート漫画を通してあずまんが大王を外側から見てみよう、という意思が感じられてならない。各作家が自身の持ち味やキャラをかなり自由に盛り込んでいるあたり、如何にあずまんが大王が好きか、という同人誌的なトリビュートとは異なっている。
前半ではあずまんが内部の関連するものをできるだけぶちまけ、それらをプロデュース面で特徴的だった里見英樹の語り口に乗せて紹介し、
後半ではあずまきよひこではなく、あずまんが周辺、あずまんが以降を意識させる漫画家にあずまんが大王を描かせることによって、
「あずまんが大王」という作品を内側と外側から解体しよう、様々な視点から「あずまんが大王」を見てみよう、という試みが、本書、「大阪万博」の狙いではなかったのか、と思う。
10周年記念にふさわしい本である。買ってよかった。
2009/11/15
「知っている側としての意見」
氷川へきるが、蒼樹うめが、ばらすぃーが、カネコマサルが、あらいけいいちが、大沖が、saxyunが、、、あずまんが大王を書いている。
ほとんどの作家が「特に好きな漫画家」に入る自分としては、まるで夢のような時間でした。
氷川へきるに関しては「ぱにぽに」本にあずま先生が寄稿していますので、その流れでしょうね。
ただ確かに、これらの漫画家を一人も知らない(芳文社きららを読んでない)人からすると、1600円も払わされる意味がわからないでしょう。
万人が楽しめる「万博」ではないのは確か。
せめて、あずま先生の書き下ろし、それが不可能なら、コメントの一つでも入れて欲しかった。原作者の言葉が一つも無いのはどうかと思う。
2009/11/05
「マンガ部分は18禁」
レビューをざっとみると後半のトリビュート漫画が酷評されていますね。
しかし決して内容が悪いのではなく、ここを楽しむには作家さんについての前提知識が必要です。
漫画部分を楽しめるかを判断する踏み絵として「序ノ口譲二」という言葉をおいておきます。
また、トリビュート漫画に知ってる作家が一人でもいたら買う価値があると思います。
この無理のある構成は、人気漫画家への階段を一気に駆け上がっても
決して原点を忘れないあずまきよひこ氏の姿勢を示しているのかもしれません。
漫画がおもしろいと思ったら12月号の快楽天もチェックするといいですよ。
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