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Amazonレビュー
2009/11/20
「クールで鮮烈な暴力描写と「顔」の疵」
曲者漫画誌、FELLOWS誌内でその暗く乾いたトーンで屹立した作品の第一巻。
堅気の気持ちが抜けないヤクザの雇われ店長である主人公が不条理な暴力の波に巻き込まれる中で自身と家族を守る為に自らも暴力に手を染めていく過程をクールな筆致で描写している。
スクリーントーンを殆ど使用しない比較的地味で端正な画風が逆に描写される暴力の生々しさを際立たせている。
突如組を襲撃した奇怪なギミックを持った敵役達よりも、常に主人公の横にいて怪我の後遺症の為にいつも引き攣り笑いの様な表情の部屋住み組員、通称「顔」というキャラクターが実に良く、何を考えているか解らない不気味な存在から徐々に主人公と心を通わせていく描写が素晴らしい。
暴力に翻弄されるばかりであった主人公が大きく変わる一瞬を描写したコマと新たな敵を巻末に配置した構成も見事。
非日常的に過ぎる面妖な敵役の設定にやや疑問が残るが(なぜ手製の武器作りに拘るのか….e.t.c.)、これも徐々に明らかにされるであろう。
次の巻が大いに楽しみである。
2009/11/18
「新たな才能の始まり」
室井大資(『イヌジニン』『妖怪研究家ヨシムラ』)の最新作。
「成り行きでヤクザになった青年が、暴力の渦に飲み込まれていくバイオレンス・アクション」
という粗筋だけを書いても、この作品、この作家の凄さは伝わらない。
全体を貫く渇いた筆致、個性的な台詞回し、新しい暴力描写。
モーニングでデビュー作『海岸列車』を読んで以来ずっと追っていた才能が、
いま開花しつつある。
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