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Amazonレビュー
2009/12/18
「自分にとって、動物を扱い優れた小説を書くのは吉村昭だが、優れたマンガを描くのは谷口ジローだ。」
92年に小学館から発売された単行本「犬を飼う」の全収録作品、05年に同じく小学から発売された単行本「凍土の旅人」の全収録作品、そして単行本初収録作品として「秘剣残月」「百年の系譜」の2作の計13作品が収められた作品集。数作を除いて動物と人間の関係を描いた短篇が収められている。
【犬を飼う】
短篇5作(うち3作は連作)が収録された単行本であるが、表題作「犬を飼う」が素晴らしい。
「犬を飼う」は、郊外に住む中年夫婦(子供はいない)に飼われている老犬が死ぬまでの一年間の日々を描いた作品であり、著者の実体験がもとになっているのだが、まるで年老いた家族の死が描かれているようだ。
僕は犬を飼った経験がないので長年生活を共にした飼い犬が死ぬことと家族の死ぬことの違いは分からないのだが、著者の犬に対する想いと、衰え行く老犬と夫婦の姿が見事に描かれている。著者があとがきで触れているとおり、死の1年間に焦点をあてたことで物語が凝縮され緊張感のある作品になったのだと思う。そして、谷口ジローの絵がなければここまでの作品にはならなかっただろうとも思う。
【凍土の旅人】
短篇6作が収録された作品集であるが、4篇は動物を描いた作品。題材は幻の白いヘラジカ、アラスカの狼、マタギの猟犬と熊、寿命をむかえた鯨であり、いずれも、動物と人間の信頼あるいは闘いが描かれている。
どの作品も甲乙つけがたいが、一つあげるとすればアラスカでの狼と一人の男の息詰まる闘いを描いた『白い荒野』であろうか。この作品はジャックロンドンの「白い牙」の第1章を再構成した作品とある(私のしらない作家なのだが…)。
残る2篇のうち1篇はマンガ家修行時代の著者と思しき青年の住んでいるアパートでの日常を綴った小品である。スケッチのようであるが何かほっとする作品に仕上がっている。
【単行本初収録作品】
残念ながらこの作品集には初出誌が記載されていないので、発表年は不明。
2009/11/04
「犬のぬくもり」
犬は一生懸命生きて淡々と死んでいく。
人はそんな犬にいろいろ思いを重ねる。
犬のぬくもりを知っている人にとっては、心を奪われる本だと思う。
犬もの以外の短編もよかった。気恥ずかしかったけど(笑)。
2009/10/29
「感動して泣けた!」
一番最後の日本軍に徴兵されるシェパードと少女の話には思わず泣いてしまいました。
私が映画のプロデューサーなら絶対に映画にします。
現在なら主演は多部未華子ですかね?
2009/10/18
「死を見つめ、生を見つめる」
巻頭の『犬を飼う』の異様な迫力に圧倒された。
飼い犬が死ぬ、というどこにでもある話が、驚くほど濃密な、普遍的な事実として描き出されている。
生きているものが、どんな形で死を迎えることになるのか? 死への道程が、足が弱り始める、前足が体を支え切れなくなる、足が思うように上がらなくなる、寝床で排泄するようになる、と状況が移り変わっていくことで克明に描写される。その老化の進行に対する飼い主夫婦の対処まで含めて、描写は、あくまで具体的であり、一篇のドキュメンタリーを見るかのようだ。40ページそこそこの短編なのに、読み進むにつれ、息詰まるような思いにとらわれる。生まれて、そして死ぬ、という言葉にできない事実の感触が、細密に描かれた絵を通して、間違いなく伝わってくる。
『そして…猫を飼う』、『庭のながめ』、『三人の日々』は、『犬を飼う』と登場人物が共有され連作となっている。続く三作では、死から生の側へと物語の重心は移っていく。穏やかにこれから始まる世界が描かれる。心あたたまる好編である。
その他の短編でも、殆どの作品で、動物や、山、海等の自然に対峙する人々が描かれ、独特の世界を形づくっている。いずれを読んでも、読者は期待を裏切られることはないと信じる。
2009/10/09
「動物マンガの価値は・・・」
あまり意識していなかった漫画家さんでしたが、動物のうまさは抜群!
イヌにせよクマにせよ、さまざまな方向からの姿態が実にうまい!自然で正確です。動物を扱った漫画はやっぱり嘘かいちゃあだめです。正確な動きがないと気分が入り込めません。外国でも評価されているとのこと、わかります!
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