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Amazonレビュー
2010/02/02
「それぞれの回想、それぞれの景色。」
「いつも魅力的で肌触りの心地よい風呂敷を見せてくれるが、畳み方が大雑把なのが玉に瑕」という評価の多い著者が、おそらくラストシーンから逆算して描いたのではと思わせる一冊。もしくは、あらかじめ畳み終えていた美しい風呂敷を見せてくれたのか。
同じ高校を卒業し、学部こそ違うものの同じ大学へ進学し、そして別々に大人になった3人の男女が、それぞれの学生時代を回想する、もしくは描写される構成になっていて、大きなストーリーが展開するわけではない。けれども、一人一人の奥行きある人物造形が、不思議な味わいを残してくれる。
3人が高校時代に出会った意味は何だったのか、それとも意味なんて思い出としての価値しか持たないのか。今のように気軽にレンタルできるDVDのない時代、名画座で見た映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」に彼らが感じたものが三者三様に違ったように、この小説の捉え方にも読者それぞれの志向が反映されるだろう。
2009/12/07
「淡々とした、正統派青春小説」
男2人と女1人の物語。主人公3人は、地方の高校から同じ大学に進んだ同級生。
大人になった現在、3人それぞれの目から高校時代より大学時代にかけての思い
出を語る、連作短編小説です。
『夜のピクニック』でも感心しましたが、恩田陸の青春小説は、当時の生々し
い気持ちが的確に表現されていると感じます。
「狭かった。学生時代は狭かった。」
「ようやく自分でおカネを稼げて、いちいち誰かにお伺いを立てずに済むよう
になったのに、なんでってまた、あのクソつまんない学生時だしに戻らなきゃ
なんないわけ?」
なんて感情は、歳を取れば忘れてしまいそうなものなんですが。。。
物語は淡々と進みます。学生時代のじゅくじゅくになった傷がちょっと痛くな
るような、ちょっとせつない話です。
「私たちは、別れるためにであったのね」
2009/09/22
「物語的な定石をはずし、雰囲気をえがいている」
読んでから二週間くらいになるが、もうどんな話だったかあまり覚えていない。それなりに読ませるが、読後感といえるほどのものもない。そんな話。
2009/04/11
「女子大生と女子学生。」
第一部が★3つ。 第二部が★5つ。 第三部が★4つ。
平均すると、★4つです。
やっぱりプロだなあ、と思ったのが自叙伝的な第一部より、
創作であろう、第二部の方が圧倒的に面白く、
第二部だけを膨らませて書けば、ものすごいものになったのに。
ちょっと残念でした。
ただ、第一部の大学生時代のグダグダ感は共感でき、
やっぱり、そのグダグダ感を振り替えって、初めて、
新たな物語を紡げるようになるんだろうなあ、とは感じました。
2009/04/06
「恩田さんの青春」
恩田陸(1964− )さんの本は「夜のピクニック」以来である。
自分の母校にも伝統としてある夜の長距離歩行という行事を題材にしていて興味を覚えたのである。そして素晴らしい作品だと思った。
その後、恩田作品を読むこともなかったのだが、今回の作品のタイトルにやられてしまった。自分の最も感動を受けた映画3本のうちの1本が、このブラザー・サンシスタームーンであったからである。
まったくの個人的想像であるが、本作品は恩田さんの高校時代から大学時代、そして今につながる個人史なのだと思った。自分を含めた3人の登場人物に青春時代ともいう不思議な時代を語らせていく。よわよわそうでいて筋が通っているような、そして少し感傷的な時代を。やはり恩田さんの心象描写は上手だとおもう。ただ、本題名の映画のことはあまり出てこないのが残念ではある。そんなこともあって廉価盤のDVDがあることを知り、思わず買ってしまった。
ちなみに感動の3作品の残りは黒沢明監督「デルスウザーラ」と「ある愛の詩」である。
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