この本をクリップしている人 (2 人)
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Amazonレビュー
2009/08/23
「☆4つ」
内容に関しては他のレビュアー様におまかせします。
主人公である塚崎多聞の言動・思考、各話の仕掛け、ストーリー構成。
そのうちのどれに作者が「不連続」の冠をつけたのか、それとも別の何かなのか。
それは私にはわかりませんが、読後の感想としては確かにシックリ来る気がするんです、『不連続の世界』というタイトル。
謎、不安、切なさ、怖れといった、精神の水面が波立つ感覚を味わわせてくれる物語のタイトルとして。
無論楽しめました。
☆4つでお薦めいたします。
ただし。
恩田作品に散見される、一種の偏りのある人物設定や、サプライズを意図するあまり、当たりハズレの差が大きくなりがちな物語終盤のストーリー展開&オチ(本作においては「最終話」)。
それらの点は本作でも健在(?)。
個人的には「ハズレ」の方に転がることも少なくないのが残念です。
単に「各人の好み」に過ぎないと言われればその通りですが、同様に感じる方もいるであろうと思うので☆はマイナス1。
2008/11/17
「「不連続の世界」」
純粋におもしろいです。恩田さんの作品は1つの場所で展開する話が多いのですが、今回は様々な場所で展開されるまさにトラベルミステリーでした。 (注)ちなみに本書の一篇「砂丘ピクニック」に登場する楠巴さんは「中庭の出来事」にも登場しています。
2008/11/16
「恩田陸の魅力が出ている一冊」
恩田陸の短編集!って感じです。
恩田さんのファンとして、とても楽しめました。
ホラーっぽくても最後にどこか救いのある、完全に地獄に落としきらない優しさがあって、それが恩田陸の好きなところです。(人によってはそれがぬるく感じるのかな?)
タイトルの不連続の世界ってのはあまりピンとこなかったですが、作品により書いた時期に10年くらい開きがあるそうなので、時代背景のずれ方がリアルでむしろ良かったです。それが不連続感につながっていたかも。
初めて恩田陸を読む方にもおすすめできる一冊だと思います。
2008/10/26
「恩田陸の世界。」
「木守り男」、「悪魔を憐れむ歌」、「幻影キネマ」、
「砂丘ピクニック」、「夜明けのガスパール」の5編からなる短編集です。
実はあとがきを先に読んだところ、
本編の主人公・塚崎多聞が未読の「月の裏側」に出ていたことを知り、
あわててそちらから読みました。
分類としてはホラーだと思うのですが、最後がまたいつもの「恩田節」で、
不思議な気分で終わってしまいました。
そしてその余韻を引きずりつつ、本作を読みました。
こちらはトラベルミステリーでした。
どれも込み入った話ではなく、比較的読みやすいと思います。
そんななか、表紙にもなっている尾道(と思われる街)を
舞台にした「幻影キネマ」を、わたしは一番面白く読みました。
子供の頃から思いこんできたことの謎が解けるときは、
その答えはあまりに簡単なものなんですね。
ちょっとホッとする話でした。
そうかと思ったら、ラストのお話はなんだかそれまでの4編を根底から覆すような、
わたしには衝撃的なものでした。
やっぱり恩田作品だわ・・と思って本を閉じました。
2008/08/07
「「不連続」をどう捉えるか?」
「不連続」をテーマとした全5編の短編小説。
既作「月の裏側」の登場人物の一人である、
塚崎多聞が主人公として活躍するミステリ。
既作を見る必要は全くありません、既作で名前だけ登場した
奥さんも登場しますが、おおそんな名前だったな!
と思うくらいです。
恩田陸の作品で、一人の主人公を置いた連作短編といえば
「象と耳鳴り」を思い浮かべるが、
本作は似た雰囲気ながら、より「月」に近いSF感がある。
5編の中で最も気にいったのは、
聞いた人が死んでしまうという歌を追うミステリ「悪魔を憐れむ歌」なのだが、
この作品は上記「象」の一編「ニューメキシコの月」に非常に通じるものがある。
また本作は日本各地を転々とするが、
「まひるの月を追いかけて」の紀行情景描写、
「ユージニア」のノスタルジーも随所に見られます。
各短編の発表の幅が8年近く空いているだけに、
そういった移り変わりや比較も出来るんだろうと思う。
ここに挙げた既作のどれかでも好きな人なら、
かなり直撃の作品ではないでしょうか。
「象」が大好きな私としては久々のヒットでした。
…ただ、上記に「月」を見てなくても大丈夫とは書いたが、
それは同時に主人公は多聞である必要はあったのかなとも思った。
まあでも…最終章などは「象」の関根多佳雄ではきついかな。
「おまえ、多分『嫌な予感』が他人よりも発達してるんだよ。
無意識のうちに、何かが起こることを予感していて、知らず知らずのうちに身体が反応しているんだ。」本文264ページより
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