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Amazonレビュー
2009/02/09
「一話ごとに違う設定だけれど、まとまりのある一冊」
あまりに面白くて一気に読みました。
一話ごとに違う設定ですが、根底に共通してじんわりと嫌な感じというか、うっすら怖い感じが漂っていて、この一冊のもつ世界観に引き込まれました。
15話どれも良いですが、特に少女を題材にしたときにぐっと切れ味が強まる感じがしました。
思わずぞっとする感じがして。
説教臭さはないのですが、一話読むごとに自分の行いを振り返りたくなります。
装丁も素敵ですね。
2008/04/21
「恩田陸版《異色作家短篇集》登場/奇妙な味の15の短篇を味わおう」
■早川書房のドル箱叢書《異色作家短篇集》(18巻、1959‐1963年)は、リチャード・マシスンやロバート・シェクリィやジョン・コリアなどの幻想怪奇風味溢れた極上短篇がぎっしり詰まり、読書家に愛された。70年代に新装再刊、近年全20巻の構成で三度復刊されるなど根強い人気を誇る。恩田陸は同叢書を深く愛好、強い影響を受けたという。本書は恩田が、同叢書にオマージュを捧げて編んだ《恩田版異色作家短篇集》。15作が収録されている。
■幾つか小説の実験が展開されている。例えば「エンドマークまでご一緒に」は、まるでファンタジー・ミュージカル映画の台本のような構成で若い男女のロマンスが描かれ、ライオンまでもが歌を歌う。また「蛇と虹」は姉妹の対話形式で物語が構成されている。
■どの作品も謎と幻想に満ちている。「かたつむり注意報」は伝記作家が異国の田舎の宿でかたつむりの大群に遭遇する怪奇譚。「夜想曲」は、創作の源泉あるいは〈物語の神〉のような存在がアンドロイドに憑依し超生命体として進化させる奇想SFだ。そして表題作「いのちのパレード」では、地球上の死に絶えた生き物が延々と行進を続ける。行進の観察者も既に死者であることを暗示させ、書評子はロッド・サーリングの傑作TVシリーズ「ミステリー・ゾーン」なども思い浮かべた。
2008/04/10
「感心した!」
さすが作家である、と唸るくらい感心した。一話いちわごと話の設定が全く違う、しかし共通のあやしく、おどろおどろしさは残っている。
本書を読んで文章表現も参考になった。一つひとつが短いので、しっかり鑑賞できた。
2007/12/30
「異様かつ刺激的」
15篇の異様極まりない作品集。
どの作品にも「異様」という言葉に加えて「突飛」という言葉すら当てはまる。
それは、読者の予想が大きく裏切られるという、読み手側にとっての楽しみが大きいという意味だ。
例えば、前の方に配置されている「スペインの苔」では、少女とロボットのオモチャとの関係の解説は、十分に分かる。
ところが、ロボットのオモチャとスペインの苔との関係は、、、!!!???
いったんは、我が眼を疑ったが、とにかく突飛なのだ。
全作品が、こんな調子であって、ファンタジーとは、趣が異なる。
それでは、これらの作品群は何なのか?
著者の数々の長編推理小説には、度々、展開の予想を大きく裏切られて、悔しい思いをするが、それが楽しみでもある。
同様に、本書では、物語の流れの中で、予想する数ページ先には、まるで想像も出来なかった事が書かれている。
つまり、常人が通常、考えもしない様な事が描かれているのだ。
異様かつ突飛なのだが、決して悪い意味ではない。
ページをめくると、10分間隔で脳がしびれる、刺激的な作品群だ。
2007/12/23
「「幻想と怪奇」の遊園地に遊ぶ」
底意地の悪さを秘めた話、背中がひやりとする話、奇想天外な話など、色んなテイストの「奇妙な味」系の話を収めた短篇集。シャーリイ・ジャクスン、パトリシア・ハイスミス、ルース・レンデル、ディーノ・ブッツァーティ、ジャック・フィニイ、ジェラルド・カーシュ、星新一といった名手(銘酒)の作品への作者のオマージュを、あちこちで感じました。
2004年から2007年にわたって、「奇想短編シリーズ」と銘打って『月刊J(ジェイ)ノベル』に掲載された短篇に、トリを飾る書き下ろし短篇を加えて・・・・・・「観光旅行」「スペインの苔(こけ)」「蝶遣いと春、そして夏」「橋」「蛇と虹」「夕飯は七時」「隙間」「当籤者(とうせんしゃ)」「かたつむり注意報」「あなたの善良なる教え子より」「エンドマークまでご一緒に」「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」「SUGOROKU」「いのちのパレード」「夜想曲」の、全部で15篇を収録。
とても楽しめた作品から、さっぱり面白くなかった作品まで、玉石混淆の短篇集だったなあ。5点満点をつけたのは、「かたつむり注意報」と「夜想曲」のふたつ。幻想的な風景にひたひたと浸された「かたつむり注意報」(ハイスミスの『11の物語』収録作品と読み比べてみるのも一興)。英国怪談みたいな雰囲気の中に、心地よいファンタジーの煌めきと余韻を感じた「夜想曲」(星新一の名品「鍵」の風情あり)。
子供を素材に使っても、レシピ次第でこんなに異なるテイストになるんだなあと印象に残ったのが、「夕飯は七時」と「SUGOROKU」。前者のコミカルで奇想天外な味、後者の閉じた世界のユニークな味。不思議で風変わりなテイストの妙。ごちそうさまでしたっ!
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