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Amazonレビュー
2010/01/13
「孤独との闘い」
すごく面白かった。
私は思春期に入ったくらいの少年の話というのが元々好きだということもあるし、孤独と闘う人の話が好きだということもあり、さらにユーモアを求めているのでこの作品が気に入ったのかもしれない。
以下ネタバレです。
主人公の二郎は小学校6年生で、友達や中学生との諍いや身体の変化、気になる女の子、大人や親への視線など思春期に突入していて、何が正しいとか間違ってるとかの判断もあいまいなわけです。その様々な解を求めるのに、おそらく大人や親の行動や言動を参考にしてるんだろうということがわかる。
しかし元過激派のお父さんなわけです。働いてないし、問題を起こすお父さんなんですね。喧嘩に勝つ方法もすごく過激であり得ないことを言ったりするんだけど、でも実際には「自分で答えを見つけろ」ってことなわけ。
だから西表の小学校に行きたいという二郎や桃子を止めたりはしない。自分で行こうと決めたんだから止めたりはしないということなんですね。
最後にお父さんのセリフでこういうくだりがあります。
「お父さんを見習うな。俺は極端だからな。.....要するにバカなんだ。」
「卑怯な大人にはなるな。正しいと思ったら一人でも戦え。孤独を恐れるな。理解者は必ずいる。」
思春期って孤独なんですよね。一人で色んなことや現象に対処している。
それでも自分で考えて、友達や誰かに話したりしながら、自分自身で解を見つけていくわけね。そうやってちょっとずつ大人になっていくんだなぁと思いました。
そして西表の家が立ち退きになるかもしれない前日に、「うちはどうなるんだろう」と思いつつも、周りが宴会やってて踊っちゃってたりしてるわけで二郎も踊っちゃう。国なんてなくてもいいのかもと思っちゃうくだりなんて本当に笑えた。
問題がありつつも楽観的というか、そのあたりがなんともいい。
とにかく面白かったな。
2009/12/06
「最悪」
普通にお父さん気が狂ってるでしょ
いかなる理由があろうと、大衆に対し害為す者は、正当化されるべきではない。 一つ言うなれば、お父さんのセリフ、 「革命は一人で行わなければならない」 みたいなのが良かったね
2009/11/18
「小学6年生」
上下巻すでに既読だが、あまりにも面白かったので、あえて上下分けてレビュー。
物語は小学6年生の主人公・上原二郎の一人称で語られる。
このように子供の一人称を使う場合「そんな子供いねーよ」というリアリティのないものか、
大人には面白くない子供向けの文体になるかのどちらかかと思う。
しかしこの筆者はリアルに小学6年生の心情を表現しながらも独特のリズムで大人にも面白く読ましてくれる。
3年先が想像できないほど未来だったり、女子と対立しながらも異性として意識し始めていたり、
1歳年上の中学生が物凄く恐ろしかったり、先生が急に一人の大人に見えたり・・・・
といった自分の小学生時代を思い出させてくれる生き生きとした表現に溢れている。
読んでいてとてもこころが和み、同時に甘酸っぱいノスタルジーを感じた。
ストーリーそのものは大きな展開を見せない前半ではあるが、
主人公・上原二郎の眼を通しての世界は自分を子供時代にタイムスリップさせてくれ、それだけで十分楽しめた。
上巻はこの主人公家族の中野で暮らしを描き、突如西表島に引っ越すまで。
ここまでは主人公の父もただの「ヘンな人」である。
この中野を舞台とした部分だけで外伝を書いてもきっとすごく面白いものになるだろう。
2009/10/11
「突き抜け感。」
主人公のお父さんの天衣無縫ぶり(愛すべきキャラです)。西表島の抜けるような青空。物語全体に「突き抜け感」があり、読んでいて「まあ細いことはどうでもいいじゃん・・・」的な気分になれるリラックス・リゾート小説。爽やかな読後感です。
2009/09/12
「どーせ読むならこんな小説がいい。」
小学校6年生の二郎の目から描かれる家族と社会の交わりの物語。
この上巻は、下巻に比べ、やや暗いのだが、まぁそれだけリアルである。
私は、奥田=筒井康隆の後継者と捉えているので、
こういうまっすぐな小説が変化球に見えてしまう。
おすすめは小学校6年生以上。
夏休みの読書感想文には最適だと思う。
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