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Amazonレビュー
2009/11/15
「『白夜行』はみていませんが…」
前作ともいえる、白夜行は読んでいないのですが、問題なく楽しめました。
あれだけのボリュームですが、一切飽きることなく、その世界に引きずり込まれました。
これが初めての東野圭吾さんの作品でしたが、東野さんの作品を読破したいと思いました。
とにかく一度読んでみてください!ハズレなしです!!
2009/06/28
「著者の伝えたいこと」
著者はこの小説で何を伝えたいのだろうか。この作品は、白夜行の続編であると言われている。同じパターンで物語が進行するのだ。美冬(主人公の女性)が言う。「昼間の道を歩こうと思たらあかんよ。あたしらは夜の道を行くしかない」しかし、彼女はそんな道を歩く必要性はない。この女性が裏の道を進む明確な理由がないのだ。そのため、この小説は説得力に欠ける。だが、この作品が白夜行の続きなら、すべて説明がつく。彼女が普通の人生を歩めないのも、過去をどんな手を使ってでも隠そうとする理由もはっきりする。それが正しいようだ。
しかし、著者自身は、続編だと言ってはいない。そうでない場合のこの作品の解釈について考えてみた。なぜ「白夜行」と同じような構成であえてこの小説を書いたのか。白夜行は、子供時代にとんでもない経験をし、それに縛られ、引きずって生きざるを得ない男女の話だった。この「幻夜」では、阪神大震災が物語のスタートとなる。著者は、おそらくこの作品を通して震災のショックの大きさを描きたかったのではないか。震災による心の傷はあまりにも大きく、その当事者に裏の道を歩ませるほどだったと。だからこそ、白夜行と同じパターンでこの小説を書いたのだ。彼は作家だ。そして、作家にとって最もうまく自分の思いを表現できるのは、当たり前だがその作品である。関西人である著者にとって、あの震災のショックは大きすぎたのかもしれない。それを何とか自分の中で消化し、乗り越えるためにこの作品を書いたとも考えられる。また、この作品は美冬の表の面だけを見れば、震災をきっかけにしてチャンスをつかみ、成功していく一種のサクセス・ストーリーと言えなくもない。著者はそうやって被災者にエールを送りたかったのではないだろうか。震災をひとつの発奮材料としてもう一度がんばってほしいとのメッセージだとも受けとれる。
2009/05/26
「この作品のテーマは何なのか?」
読後の感想は「救いがない」ということ。この作品中、幸せになった人は一人もいない。主人公の職人も食堂の娘も美冬もその夫も義姉もカリスマ美容師も宝石店の店員も鉄工所のオヤジも刑事も登場人物は全員一人として幸せになっていない。何も悪いことをしていないのに(一部例外あり)。
いったい作者はこの作品を通じて何を言いたかったのか?
ピカレスクロマンといえばそうであるが、「悪」に感情移入できないし、悪が滅びるというカタルシスも無い。残るのは寂寥感だけ。
しかし評価は高いです(矛盾するけど)。一気に読ませるし、はじめから終わりまで強烈なイメージが残る作品。当然ながら「白夜行」を先に読むことが必須です。なんか続編が読みたいというのは私だけでしょうか。
2009/03/07
「後味が……」
悪いですね。
あれだけ太い本を一気に読ませる東野圭吾の筆力は素晴らしいです。
もちろん白夜行を読んでからのほうがいいと思います。
うなじに二つ並んだほくろあたりから美冬の正体が徐々に明らかになります。
特に最終章は息もつかせぬ展開でラストで一気に読ませます。
が、ラストでがっかりでした。
あれではあまりにも雅也が救われない……。
白夜行では雪穂の行動や性格の背景となる辛い過去やそれによって築かれた亮司との絆なんかが物語に重みを持たせていたのですが、幻夜では美冬はただただ悪女です。
亮司と雅也は役割的には似ていますが、亮司のほうが雅也よりも冷酷で、過去背負ってる分雪穂との絆も強いですね。
雅也は亮司よりももっと普通の人間で、それゆえに美冬のパートナーという荷は重すぎた、といったところでしょうか。
とにかく、雅也は美冬にとっては単なる持ち駒の一つで二人の絆はあまりにも希薄すぎる、といった印象でした。
続編に期待です。
2008/04/01
「「白夜行」〜「幻夜」一気再読」
久しぶりに「白夜行」〜「幻夜」を続けて再読。一気に読むことで物語の背景である時代(=昭和)が小説世界と密接にリンクしていることを改めて感じました。
「白夜行」の最初が高度経済成長の公害問題、そこからバブル経済〜崩壊、阪神大震災、地下鉄サリン事件と続く大きな時代の流れや、
2作の中で段々に進化するパソコン、ネットワーク社会という要素が登場人物達の行動(=悪意)を左右し、それが物語の大きなうねりとなっています。
主人公雪穂=美冬の行動も時代とともに小さな悪意が段々とエスカレートしていくようで興味深いです。
特に「白夜行」ではまだギリギリでかかっていたリミッターが、「幻夜」では一気に振り切れてしまったようで、書かれていない2作の間でいったい何があったのかと思ってしまいます。
もしこの作品が3部作であるならば、平成の世に生きる雪穂=美冬の悪意がどう変化しているのか見てみたいです。
(「幻夜」の後半、雅也の働いていた工場の社長が語る「世の中もっと悪くなる。自分の懐を肥やすことしか考えてない連中がこの国を仕切っているんだから当然のことだ。」というセリフが深いです。)
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